2017年6月16日(金)報道ステーションでの木村草太氏の
発言があまりに気にいったので、トッキーに文字起こし
してもらった。紹介しておく。
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木村 共謀罪についてはですね、市民活動の委縮、経済活動
の委縮、その他委縮という面もありますし、それから未遂を
罰しないのに共謀を罰するということによる実務上の混乱も
起きるだろうと言われていて、様々な問題を引き起こすと
いうことが今後予測されています。
またあの中間報告からの本会議の採決というのは、
そもそも委員会の委員長が、多数意見がまとまっているのに
委員長がサボタージュするとか、そういう例外的な場合を
想定したもので、今回は与党公明党の方が委員長だったわけ
ですから今回そういうものを使うというのは、これはやはり
異常であったと言わざるを得ません。
それからやはり共謀罪についてはですね、政府は二つの
目的があるとずっと説明してきたわけで、パレルモ条約批准
と、テロ対策と言ってきたわけです。
しかしパレルモ条約というのはそもそもテロ対策の条約
ではなく、マフィアや暴力団対策のためのものですし、
それから日本は暴力団対策も進んでいますし、重大犯罪に
ついては予備罪が処罰される。
しかも予備罪の共謀共同正犯ということで、予備行為の
共謀した、関わった人はみんな逮捕できるという法律です
から、これは今回の法律がなくてもパレルモ条約を批准
できるだろうというのは、専門家の非常に強く言われて
いた意見でした。
富川 そうですよね?。パッサス教授という、パレルモ条約
に最も詳しいと言われている方に番組でも聞いたんですけど、
まさにパレルモ条約はテロ対策のものではないと、
はっきりとおっしゃってましたね。
木村 日本の当時の現行法で問題はないという説明でした
よね。
富川 そういった海外の言葉に、耳を傾けてないというのも
今の政権にはありますね。
木村 大きな問題でした。それからテロ対策の法律という
面も大きな問題があって、テロ対策については実は関連する
条約に基づいて、十分な立法がなされていると言われています。
実際その下見とか資金準備だの、今回の法律で捕まえるぞ
といった法律問題については、「公衆等の脅迫目的の犯罪行為
のための資金等の提供等の処罰に関する法律」というちょっと
長い名前の法律があって、既に包括的に処罰対象になって
いました。
ですから、テロ対策に今回の法律がつけ加えることは何も
なかったんですね。
今回、テロの危険と監視社会のどっちを選ぶか、みたいな
論点が形成されてたんですが、そもそも今回の共謀罪、
テロ対策には使えない、使わないものなわけですから、
そういう論点の形成自体が間違っていた。
本当の論点というのは、テロ対策という政府の嘘を許すか
どうかという論点で、この論点であればもう結論は明らかで
あるわけですね。
やはり政府が国民をごまかしに来た時に、多くのメディア
がきちんとそれを見抜き、また、有識者もこれはテロ対策と
いうのは嘘だなということをきちっと見抜かないと、
国民が正しい判断ができません。
ですから、やはりメディアの側も日頃から優秀な専門家
とコミュニケーションを取って欲しいと思いますし、やはり
今回、テロ対策だからこの法律に賛成したというふうな
有識者の方は、ぜひ、本当に自分が発言する資格があったの
かどうか、きちんと考えてほしいと思いますね。
富川 そうですね。そして結局、一般の人が対象になるのか
どうかとか、どこまでが準備行為にあたるのかどうかとか、
もう疑問がまだまだわからないものがたくさんありますから。
木村 そうですね。ただまあこれから法律運用する中で
抑制をかけていくこと、それから修正をしていくこと、
条文の改正していくことは、これからもできますから、
ここで忘れない、あきらめないということが大事だと
思います。
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わしが想像するに、最初のうちは警察も抑制的に運用する
のは当然だが、数年経てば国民は忘れてしまう。
次は盗聴法が「テロ等通信傍受法」とかに名前を変えて、
一般市民にまで対象が拡大し、監視社会化がますます進む。
そのうち、ぽちぽち冤罪も発生するようになるが、警察に
疑われるようなことをしてるからだろうと、国民は慣れて
しまい、そうやって権力に異議申し立てする気概が委縮し
ていくのだろう。
ヒツジになった国民の経済もまた委縮していくことになる。